Houunzenji
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黄檗宗

黄檗とはなにか。黄木(おうぼく)とも呼ばれ、日本では「きはだ」と呼ばれている樹木。 中国では河北・山西・東北・内蒙古から湖北・雲南・四川省などに生育し、樹皮は生薬となり、それを服用すると「地仙」 つまり地上の仙人になるといわれています。

黄檗の山号、宗派の名前は、中国の萬福寺がある山にこの黄檗の木が繁茂していたことに由来しているといわれ、京都宇治の萬福寺にも、 縁のあるその木が植えられています。

1654年、日本は江戸時代、4代将軍徳川家綱公の頃。中国の萬福寺で住持していた隠元隆琦禅師が日本に来られました。禅師は将軍や大老酒井雅楽頭忠勝、老中稲葉正則らの勧めによって日本に永住することを決心され、将軍より宇治の近衛家の領大和田の荘を賜って黄檗山萬福寺を建立され、 黄檗の教えを広められたのです。

その教えの中に「唯心の浄土・己身の弥陀」という言葉があります。これは「ただ心の中にこそ極楽浄土がある。」「己の身そのものが阿弥陀仏(仏)である」ということで、 つまり人は皆、本来生まれながらにして「仏」である。又は仏の心を持った存在であることを説いておられます。しかし人間生まれて生きていくうちに、世間の煩悩や欲望に侵されて、 もって生まれた仏を汚していってしまいます。ですから黄檗宗では禅(坐禅・臥禅・立禅など)を実践し、精進することによっ萬福寺本尊て、己を見つめ直し、自らの仏に磨きをかけていくことを教えの主としています。

黄檗宗で読まれるお経は唐韻といって、現在でも中国から伝わった当時の発音で読まれ、木魚・太鼓・繞鉢(楽器のシンバルのようなもの)等を用い、節のある音楽的なお経が読まれます。 例えばよく知られているお経、般若心経の「般若波羅密多心経」という部分を和韻(日本の読み方)で読むと「はんにゃはらみたしんぎょう」と読みますが唐韻で読むと「ポゼポロミトシンキン」と読みます。